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役場の跡地はどうなる?旧垂井町役場庁舎の建て替え事業の概要を解説

更新日:5月24日


出典:http://www.town.tarui.lg.jp/docs/2016091500013/


今週、垂井町役場の庁舎跡地を活用する「庁舎跡地等活用に関する調査特別委員会(以下、「特別委員会」)」が開催されました。

今回の特別委員会は、旧垂井町役場の跡地を活用する「旧庁舎跡地にぎわい創出施設整備事業(以下「本事業」)」の基本設計に関する説明を、本事業に応募した事業者から受け、質問や要望を伝える機会となりました。


そこで今回は、本事業の概要と事業者からの説明の内容、私から伝えた要望についてご紹介していきましょう。



旧庁舎跡地にぎわい創出施設整備事業とは?

出典:http://www.town.tarui.lg.jp/docs/2020032700011/files/data.pdf


旧庁舎跡地にぎわい創出施設整備事業は「垂井町庁舎跡地等活用基本計画」によって実施される事業です。これは、役場が転出した垂井地区に賑わいを創出することを目的としており、その想いが「にぎわい創出施設」という事業名にも表れています。


本施設の整備方針としては、「誰もが楽しく・安全に集える垂井の賑わい拠点づくり」という理念のもと、以下の5つの方針が定められました。


<活用の方針>

1、町民・地域住民が集い交流できる場の確保

2、若者・子育て世代を中心とした幅広い世代の住宅の確保

3、歴史・文化を体感できるおまつり広場と観光サービス施設の確保

4、地域の安全性を 高める防災広場の確保

5、新たな集客施設の確保・イベント等への対応


この方針に加え、町民ワークショップでの意見を踏まえて、以下のような施設整備を行うことが決まりました。


A、多世代が軽スポーツ、音楽、文化活動を行える諸室(貸室)

B、住民のたまり場となるカフェ

C、子供向けの遊び場(屋内外)

D、垂井町の魅力や観光資源を発信する空間

E、災害時に避難場所及び避難所として利用できる空間

F、多目的広場(子供の遊び場、幅広い世代の憩いの場、イベント時に多彩な行事、災害時の利用等)


カフェや子ども向けの遊び場が計画に盛り込まれ、かなり子育て世代や若者世代を重視した計画となっています。

そして、これを具体的な面積に落とし込むと以下のような計画となりました。


・住民のたまり場となるカフェ 約 80(㎡)

・子供向けの遊び場(屋内) 約 120(㎡)

・垂井町の魅力や観光資源を発信する空間 約 100(㎡)

・共用部分 約 200(㎡)

・貸室機能 約 500(㎡)

・行政機能 約 600(㎡)

 =約 1,600(㎡)


実際には、庁舎東館(旧ウイング)を購入したため、行政機能のいくつかが庁舎東館へ移転することになるため、行政機能はこの半分以下となります。


どんな整備案が出された?

本事業を事業者に発注する際に、事業者を募集する「プロポーザル」が行われました。プロポーザルの際には「要求水準書」という、行政が求める施設や設備の内容が記載された仕様書の内容に沿って事業者が建物の案を出してきます。


今回、垂井町から出された要求水準書の施設のレイアウトに関する要求は以下の通りです。

出典:http://www.town.tarui.lg.jp/docs/2021082600023/files/2youkyuusuizyunnsyo.pdf


この案を見て、調理室をそのまま整備するだけでは現代の利用者のニーズに合わないと考え「シェアキッチン」や「キッチンスタジオ」として利用できるように行政と調整し、要求水準書に記載して貰いました。

出典:http://www.town.tarui.lg.jp/docs/2021082600023/files/2youkyuusuizyunnsyo.pdf


そして、2月に事業者から提出された図面を見てみると、「行政の要求水準書通りの施設を図面にしてきた」という感がある案が提出されました。これは設計業者としては当然のことではありますが、第一印象は「昭和96年の公民館整備事業か?」というものでした。


その理由は和室や会議室といった貸室機能を行政の要求のまま設計に落とし込んだ結果、「会議室と和室が大半を占める公民館のような施設」となっていたからです。

特に和室3室と会議室5室は、現在利用されている垂井町立中央公民館と垂井地区まちづくりセンターの和室と会議室の数をそのまま設計に反映させていますが、和室・会議室の稼働率は20%台と低い水準となっており、ニーズが無いにも関わらず同じ数を整備することに疑問を抱き、提案をすることにしました。

出典:http://www.town.tarui.lg.jp/docs/2021042600018/files/keikaku.pdf


どんな提案をした?

上記のような整備案が出てきましたので、そのままの設計で基本設計を進めることを認める訳には行かないと考え、2月21日の特別委員会では大まかに以下のような提案をしました。


稼働率の低い和室と会議室の数を減らし、他の機能を持たせること

要求水準書上の和室3室と会議室5室は利用率が低く、それぞれを1室減らしても稼働率が100%を超えることはありません。加えて、ちょっとしたミーティングが可能なカフェスペースやオープンスペースが整備されるため、これほどの室数は必要ないとして、1室ずつ削減し、その分他のスペースにゆとりを持った設計をするよう提案しました。


授乳室やベビースペースの動線を再考すること

現在の案では、入口→カフェスペース→授乳室・ベビースペースという動線となっており、カフェの中をベビーカーで通過するという動線は保護者にとって使いづらく、またカフェの横に乳児用トイレが設置されることにもなっているため、これらのレイアウトの見直しを提案しました。


シェアキッチンやキッチンスタジオの機能を強化すること

シェアキッチンについては以下のリンクで解説をご覧いただきたいと思いますが、「複数の人が共同利用するキッチン」です。

出典:https://clock-kitchen.com/columns/3451

シェアキッチンにはコミュニティスペースの機能があり、本事業で整備するのはコミュニティスペースとしてのシェアキッチンです。


このシェアキッチンを整備する理由は「岐阜県は3世帯居住が全国上位で、1世帯あたりの住民数が全国最多だから」です。つまり、家に自分以外の家族がいる割合が高く(垂井町の場合は10世帯に1世帯が3世帯同居)、気軽に友人を呼んでホームパーティーができません。

また単身世帯の割合が増えており、孤食となる世帯が増えていることからも「食」を通したコミュニティを形成する必要があるからです。


動画配信やコワーキングに対応できること

近年はYouTubeに代表される動画サイトを使った情報発信が一般的になっています。しかし、動画配信に適した環境はそう多くありません。行政が動画で情報発信する際に使用される会議室は音響や照明の面からも最適とは言えず、若い世代を中心に動画配信に適した環境を整備することは時代のニーズに合っているといえます。そこで、会議室の一部を防音・照明に優れたものにして、会議室の他に簡易配信スタジオとしても機能するように提案しました。

同時に、学生や社会人などが気軽に利用できるコワーキングスペースの整備も提案しました。


50年活用できる施設にするために

垂井町から公式に図面等が公開されていないため、今回は図面の紹介は控えましたが、今後、施設のイメージを皆さんにご覧いただける日も来るかと思います。本事業は垂井地区のにぎわいを創出すると共に、今後のコミュニティスペースのあり方を再定義するような施設にしていきたいと思います。


今後も、できるだけニーズに合った施設整備ができるように行政に働きかけていきます。ご意見やご要望がありましたら、お気軽にご連絡ください。



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