3月2日より、垂井町議会の第2回定例会(3月議会)が開会しました。今回の定例会は令和3年度の予算を決める議会です。コロナ禍での行政運営は2年目に入りますが、令和3年度は全国の自治体でワクチン接種事業が行われます。
ワクチン接種は国からの報道が中心なので、国が進めていくようにイメージされがちですが、実際には各自治体が事業を行うため、垂井町も例外なくワクチン接種が大きなテーマとなる一年になりそうです。
この一年は、コロナによって変化を余儀なくされた一年から、コロナを乗り越える一年になるでしょう。
そこで今回は、3月議会の位置づけや令和3年度の予算や事業のポイントについて解説していきます。
(今回の記事では、わかりやすさを優先した表現を心がけており、できるだけ行政用語を省いております)
3月議会ってどんな議会?
まずは地方議会における3月議会の位置づけについてご紹介していきましょう。
次年度の予算を決める
3月議会のもっとも大きな役割は、次年度の予算を決定することです。町の運営は年間の予算計画に従って進めますが、その予算を決定するのが3月議会です。
詳しくは後述しますが、3月議会の提案説明にあたっては、町長から「施政方針」の発表があります。この発表で次年度の行政運営をどのように進めていくかが示されます。
行政は議決がなければ4月からの予算を使うことができないため、この3月議会が1年で最も重要度の高い議会ともいえます。民間企業で働いている方にとっては、上場企業の株主総会をイメージすると似ているかもしれません。
条例の改正が多い
3月議会は条例の改正が多い議会でもあります。条例とは、その町の中でだけ通じるルールのことです。
多くの条例は、国の法律に紐づいているので、国の法律が変わると条例も変更されます。例えば、令和3年3月議会の条例改正のひとつに「新型コロナウイルスの定義」が挙げられます。
これは、法律改正によって新型コロナウイルスの定義が変わったため、垂井町の条例の中に記載されている新型コロナウイルスの定義についても変更されるものです。
令和3年度の町長の施政方針について
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3月議会では翌年の行政運営の方向性を伝える「施政方針」の発表があります。そこで令和3年度の施政方針の主なポイントについて紹介していきましょう。
7つのテーマでまちづくりを進める
令和3年度の施政方針は7つのテーマがあります。具体的には
協働
安全・安心
都市基盤・環境
産業・交流
福祉・健康
教育・文化
行財政運営
です。
基本的に施政方針に記載されている内容が目玉の政策であり、新たな事業について数多くの発表がありました。
令和3年の目玉事業
新年度の目玉事業は個人的には「垂井町版DX(デジタルトランスフォーメーション)」ともいえる様々なデジタルツールの導入です。
コロナ禍で対面接触の機会を減少することを目的としたこの事業によって、垂井町の行政サービスは大きく変化することになります。また、LINEを使った行政サービスの提供もスタートします。
SNSを使った情報発信は6年前に議員として最初に掲げた公約なので、これが実現することは悲願でもありました。また、「タウンプロモーション」や「シビックプライド」など積極的に提言している分野で事業が進んでいくことに感慨を抱いています。
観光振興の分野では関ヶ原合戦のアニメーション動画の作成や戦国ナゾときラリーなどの観光プロモーションも実施していきます。
福祉・健康分野では高齢者向けの「長寿お祝い商品券の発行」や保育施設のICT化が進められるなど、様々な事業が予定されています。
教育分野では、学校のICT教育の充実や「全小中学生の給食費無償化」が盛り込まれました。
全町民向けに関連のあるテーマでいけば、プレミアム商品券の発行や「町指定ごみ袋の無償配布」を今年度も継続していきます。
令和3年予算案のポイント
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続いて、令和3年度予算案のポイントを紹介していきましょう。
過去最大の予算規模
令和3年度の予算案は、過去最大規模の予算であった令和2年度を上回る171.5億円です。前年と比較すると6.3億円、7.4%の増加です。内訳は
一般会計(行政全般の予算)…91.8億
特別会計(福祉医療の予算)…72.7億
水道事業会計…7億
です。
予算の増加要因は、コロナ禍で支出が増えているというよりも「社会保障費の増加」と「老朽化した公共施設対策」が挙げられます。
どちらも、今後ますます増加することが確実な問題です。これを緩和するためには、健康寿命の向上や公共施設の統廃合を進めていく必要があるでしょう。
3月議会の流れ
3月議会では、行政の提案説明や2つの委員会のほかに「予算特別委員会」が開催されます。3月議会の流れについて紹介していきましょう。
予算審査特別委員会とは?
「予算審査特別委員会」は、3月議会で設置される委員会で、予算審査に特化した委員会です。「特別委員会」とは、特定の目的がある場合に設置される委員会で、垂井町では予算審査と決算審査を行うために特別委員会が設置されます。
また、令和2年度より庁舎の跡地活用に関する特別委員会も設置されています。
予算特別委員会では全ての部署の全ての予算を精査し、疑問点や提案があれば委員会の中で議論をします。
本会議であまり質問が出ないのは、この特別委員会で徹底的に議論するからです。
予算審査特別委員会で審査し、本会議で可決
「予算審査特別委員会」での審査が終わると、議会最終日に予算特別委員会の委員長からの報告が行われます。
この報告を受けて、議会としての議決を行い、予算が決定します。議決を受けると、その内容を元に新年度を迎え、令和3年度の行政運営がスタートしていきます。
次年度の方向性を決める議会だからこそ、3月議会はボリュームが多くなり、私たちもいつも以上に力を入れて議会に臨みます。
おわりに
令和3年度の予算を決める3月議会。垂井町最大の予算規模となる今回は、その分だけしっかりと議論をしていく必要があります。また、今回の施政方針で紹介した事業は可決しなければ絵に描いた餅で終わってしまいます。
そうならないように内容を精査し、きちんと議決をしてスムーズに行政運営ができるよう、職責を全うしていきたいと思います。
議会の模様はまた随時レポートしていきますので、ぜひ定期的にチェックしてみてください。
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