こんにちは。垂井町議会議員の太田佳祐です。5月15日(日)に垂井町立文化会館にて旧庁舎跡地の活用に関する住民説明会が開催されました。これをもって垂井町役場の旧庁舎跡地活用に関する情報が正式にリリースされましたので、守秘義務の関係でこれまで詳細についてご紹介できなかった新施設の全貌をご紹介できるようになりました。
なお、計画自体の概要については過去にご紹介したこの記事をご覧ください。
今回は説明会で使用された使用をもとに、旧垂井町役場跡地にどのような施設が整備されるかを解説していきます。
事業の概要と基本構想について
まずは、事業の概要と基本構想について、簡単に解説していきます。(詳細はこちら:役場の跡地はどうなる?旧垂井町役場庁舎の建て替え事業の概要を解説 )
旧庁舎跡地にぎわい創出施設整備事業とは
役場の跡地に新施設を整備する事業は、正式には「旧庁舎跡地にぎわい創出施設整備事業」と呼称されていますが、本記事では単に「旧庁舎跡地整備事業」と呼称します。この旧庁舎跡地整備事業は、移転によって空き家となった垂井町役場の跡地に、再び多くの人が訪れるような施設を整備することを目的としています。
ですから、正式名称には「にぎわい創出」と記載されているのです。
この事業は、併せて老朽化している垂井町中央公民館の施設更新も兼ねているため、イメージ的には中央公民館の建て替え事業に近いといえます。
旧庁舎跡地整備事業の基本構想について
旧庁舎跡地整備事業の基本構想は、上記の画像のように「誰もが楽しく・安全に集える垂井の賑わい拠点づくり」という理念のもとに、以下の活用方針を掲げています。
<活用の方針>
1、町民・地域住民が集い交流できる場の確保
2、若者・子育て世代を中心とした幅広い世代の住宅の確保
3、歴史・文化を体感できるおまつり広場と観光サービス施設の確保
4、地域の安全性を 高める防災広場の確保
5、新たな集客施設の確保・イベント等への対応
これまでの公共施設と異なるのは「若者・子育て世代を中心とした幅広い世代の住宅の確保」と「新たな集客施設の確保・イベント等への対応」という、これまでにないターゲットへのアプローチのための施設であるということです。このうち「若者・子育て世代を中心とした幅広い世代の住宅の確保」について、私は「施設の上部にマンションを整備すべき」という主張をしましたが、実現には至りませんでした。
公共施設の上部にマンションを建設し、建設費用を入居者と折半することで総工費を抑える試みは徐々に広がっていますが、この件については今後のテーマにしていきたいと思います。
旧庁舎跡地の全体像を解説
施設の概要についてご紹介したところで、いよいよ旧庁舎跡地がどのような施設となるかを解説していきましょう。
公民館機能を持った「にぎわい施設(交流施設)」と2ヶ所の「広場」を建設
この施設は大きく分けて「にぎわい施設(画像では「交流施設」と表記)」と2ヶ所の「広場」に分けることができます。にぎわい施設の中には、中央公民館と同様に会議室や和室が整備され、これまで中央公民館を利用していた方々が集い、地域活動などができるようになります。
また、新たにコワーキングスペースとしての機能を持った「カフェ」と、シェアキッチンの機能を持った「調理室」、雨天でも子どもたちが遊べる「こども遊具室」と「乳幼児スペース」、さらには防音機能を持った「音楽スタジオ」が設置され、これまでの垂井町の公共施設が持っていなかった「子ども・若者・子育て世代」が利用できる多くの機能を持った施設となります。
私も今回の施設整備には、持てる提案能力を最大限活用して交渉にあたったので、役場の跡地はどうなる?旧垂井町役場庁舎の建て替え事業の概要を解説 に紹介されているように、和室や会議室の面積の削減と、それによって作られたスペースでシェアキッチンやコワーキングスペースの充実が実現しました。今回の提案は、町長はもとより、行政職員さんの多大なるご協力にて実現したものです。この場をお借りして深く御礼を申し上げます。
「広場」に対する提案内容
庁舎跡地整備にあたって、当初計画されていた「広場」は俯瞰図の交流施設全面にある舗装された広場だけでした。この広場は垂井まつりの練り込み拠点として活用することを目的とし、マルシェやイベントなどのスペースとしても活用できるようにと整備されます。
もう一つの、敷地西側にある芝生(仮)広場は、追加で整備することが決まった広場で、現在はこの広場を「インクルーシブ公園」として整備できないかと提案しています。
インクルーシブ公園とは?
インクルーシブ公園とは、障がいや年齢、発達の状況に関わらず誰でも利用できる公園のことで、ユニバーサルデザイン(※)を全面的に取り入れた公園です。
例えば、車椅子を使っている人や膝が悪くしゃがむことができない人が使える砂場や、親子・祖父母と子どもが一緒に使えるブランコ、背もたれと肘掛けがあり、安心して利用できるシーソーなど、より多くの人が利用できるように工夫されています。
インクルーシブ公園は2020年に東京都に全国で初めて設置され、関東圏を中心に少しずつ広がっています。現在、東海地方初の事例として名古屋市での整備が進んでおり、垂井町でも整備されれば、岐阜県初の先進的な事例となります。
※ ユニバーサルデザイン:年齢や能力などに関わらず、より多くの人が使いやすいように製品や建物・環境をデザインするという考え方。1980年代に提唱され、日本でも導入が進んでいる。
にぎわい施設(交流施設)の内容は?
続いて、にぎわい施設(交流施設)の内容について、平面図をもとに解説していきます。
1階にはホールとカフェ、子育て施設を設置
1階は「多目的ホール」とコワーキングスペースとしての機能を持った「カフェ」、シェアキッチン機能のある「調理室」、「室内用こども遊具室」「乳児用スペース」「音楽スタジオ」が配置され、子育て世代や若者が活用できるような施設となっています。
「シェアキッチン」とは、多くの人が共同利用するキッチンのことを指し、「キッチンスタジオ」として整備します。キッチンスタジオは従来型の調理実習や炊き出しだけでなく、料理教室や地域行事、パーティー会場としての活用も想定しています。
想定として、三世帯同居や賃貸物件に住んでいる方のホームパーティーや、同窓会、移住イベントや観光イベントの懇親会会場など、大勢の人がフランクに飲食できるような活用法が挙げられます。
室内用こども遊具はネットの遊具を設置し、ここでしか体験できない遊びの機会を提供します。
2階には会議室・和室を設置し、中央公民館機能を維持
2階は5部屋の会議室と3室に区切れる和室を設置。これまでの中央公民館と同様の機能を持たせることで、従来の利用者の方々も引き続き活用いただけるような配置となります。新たなニーズとして、スポーツ後に着替えを行うスペースがないことから、更衣室を設置します。
共用開始(完成)は令和6年4月の予定
旧庁舎跡地整備事業の共用開始は令和6年(2024年)4月の予定です。令和4年の秋ごろから現在の建物の取り壊しが行われ、順次建設が進んでいきます。近隣の皆様には、工事車両の通行などでご迷惑をお掛けすることとなりますが、何卒ご協力のほど宜しくお願いいたします。
より良い施設整備に向けて
この施設は、単にハコを整備しただけでは良くなりません。残されたインクルーシブ公園の整備と共に、施設の運営者がどこになるのか、どのような運営方針で進めていくのかをしっかりと確認し、必要に応じて提案をしていきたいと思います。
より多くの方々にとって魅力的な施設となるよう、残された任期の中で必要な全ての提案を実施していきたいと思います。
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